今回は、グローバル決済テクノロジー企業であるマスターカード(MA)の銘柄分析♪
この記事は2020年8月5日に更新しました。データソースはコチラ♪
金融機関で働いていた私が投資判断をする際にチェックする点を中心にまとめました。
今回の注目ポイントです♪
- キャッシュレス化が業績に追い風
- 企業買収や提携で事業拡大
- 決済システムで高いシェアを獲得しており、高利益率
- 安定したキャッシュフローにより魅力的な株主還元
- 2020年度第2四半期決算の内容は良かったが、前年比減収に
それでは見ていきましょ〜♪
Contents
マスターカード(MA)基本データ
基本情報
会社名 | Mastercard Incorporated |
ティッカー | MA |
本社 | ニューヨーク州 |
セクター | 情報技術 |
決算 | 12月 |
設立 | 1966年 |
上場 | 2006年 |
事業内容
マスターカードはビザ(V)と並ぶグローバルな決済テクノロジー企業です。
金融機関や個人を対象に、クレジットカード、デビットカードなどの決済システムを提供しています。
マスターカードは、システムを提供するだけで、カードの発行をしていません。
そのため、クレジットカードの返済ができない人が増えたとしても、マスターカードの業績に直接的な影響はありません。
世界200を超える国と地域で事業を展開しています。
米国外の売上高の比率が多く、国際展開を上手く進めています。
ヨーロッパではVISAよりも知名度・浸透度が高いといわれています。
株価チャート

株価は、10年で約14.5倍になっており市場平均を大きく上回っています。
マスターカード(MA)業績
売上高・営業利益

世界的に進むキャッシュレス化の流れにのって過去10年は毎年、増収しており素晴らしい業績をのこしました。
企業買収や提携を、うまく活用して事業を拡大している点も魅力です。
今年の6月にもフィンテック企業であるFinicityを8億2,500万ドルで買収することを発表しました。
マスターカードは、IT大手のアップルやマイクロソフトからもパートナーとして選ばれる存在です。


営業利益率

営業利益率が、非常に高いのが特徴です。
マスターカードのクレジットカード市場シェアは、2番目に大きく3割程度。
マスターカードとビザで市場シェアが8割程度あり、参入障壁が非常に高いビジネスです。
EPS(1株当たり利益)

EPSは10年で5.6倍にもなりました。
BPS(1株当たり純資産)

会社の体力を表すBPSは近年、下がっています。
これは、企業買収やシステム開発に資金を回しているためです。
ブロックチェーンシステムの投資も積極的に行っています。
キャッシュフロー

営業キャッシュフローの大部分がフリーキャッシュフローになっており、現金を生み出す力が非常に強い会社です。
マスターカード(MA)株主還元
1株あたり配当

配当利回り | 0.51% |
連続増配年数 | 9年 |
過去5年平均増配率 | 24.6% |
過去3年平均増配率 | 20.2% |
配当性向

配当性向は低く、かなり余裕をもって配当の支払いをしています。
今後も増配が期待されます。
自社株買い

自社株買いに積極的で、10年で発行済株式の22%を減らしました。
マスターカード(MA)バリュエーション
PER(株価収益率)

過去5年間の平均 | 36.32倍 |
2020年8月5日時点 | 43.30倍 |
PBR(株価純資産倍率)

過去5年間の平均 | 33.11倍 |
2020年8月5日時点 | 48.37倍 |
PCFR(株価キャッシュフロー倍率)

過去5年間の平均 | 33.13倍 |
2020年8月5日時点 | 36.58倍 |
マスターカード(MA)四半期決算
EPS(1株あたり利益)の市場予想と結果


過去8回の決算のうち、市場予想を上回ったのが8回、下回ったのが0回。
売上高の市場予想と結果


過去8回の決算のうち、市場予想を上回ったのが8回、下回ったのが0回。
銘柄分析 コメント
過去10年間の業績、株価パフォーマンスは非常に素晴らしいものでした。
キャッシュレス化する世界、
圧倒的な市場シェア、
企業買収による事業拡大、
財務は健全で貸倒リスクなし、
設備投資は営業キャッシュフローの一部だけ、
ビジネスモデルについても素晴らし過ぎる会社です。
注意する点としては、新型コロナウイルスの影響を受ける銘柄であるということです。
2020年度第2四半期決算について

7月30日に第2四半期(4〜6月)決算を発表しました。
売上高とEPSは市場予想を上回り内容は良かったものの、前年同期と比べ減収減益となりました。
- EPSは、市場予想1.18ドルに対して、結果1.36ドル。
- 売上高は、市場予想32.6億ドルに対して、結果33.3億ドル。
- EPSは前年同期比28.0%減、売上高は前年同期比18.9%減。
新型コロナウイルスによる景気後退の影響により、クレジットカードの利用は10%減少しました。
また、国境を超えた取引量については45%も減少しました。
人々が海外旅行を控えたことが大きな要因です。
下の図はマスターカードのIRサイトで公開されている国境を超えた取引量の推移です。

人々はしばらく海外旅行を控えるでしょうから、この部分については業績の押し下げ要因です。
また、マスターカードは、ヨーロッパでの売上比率が高いため、ヨーロッパで新型コロナウイルスの感染が拡大したことも業績を押し下げた要因となりました。
短期的には、大きな株価の上昇は期待できませんが、長期投資をするうえでマスターカードに投資する魅力はなくなっていないと考えています。
先行きが不透明な中でも、潤沢なフリーキャッシュフローを活用して、自社株買いと企業買収を進めている点は非常に評価できます。
2020年4月から6月までの3ヶ月間で10億ドルの自社株買いを実施し、330万株買い戻しました。
まだ、59億ドルもの自社株買い枠が残されています。
不景気になればM&Aも期待されます。
マスターカードは、リスクが少なく利益率が高いビジネスをしていて、あらゆる相場環境でも、株主還元と事業拡大ができる点は非常に魅力だと感じています。
事業の参入障壁は高く、アップルやマイクロソフトでさえ提携したいと思う会社。長期保有銘柄としてマスターカードは良い投資先だと思う♪
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