誰もが使ったことがある「PDF」。
実は、「PDF」を提供している会社がアドビ(ADBE)です。
今回はアドビについて語ります♪
サブスクリプションで大成功したアドビの事業内容や財務データ、今後の株価予想が分かります♪
Contents
アドビってどんな会社?
基本データ
会社名 | Adobe Inc |
ティッカー | ADBE |
創業 | 1982年 |
上場 | 1986年 |
決算 | 11月 |
本社 | カリフォルニア州 |
従業員 | 22,634人 |
セクター | 情報技術セクター |
事業内容
アドビ(ADBE)は、1982年に創業した老舗ソフトウェア企業。
「PDF」のサービス提供していることで有名です。
しかし、PDFは事業のほんの一部。
私が注目しているのは「Adobe Creative Cloud」というサービス。
このサービスに登録すると、20以上のアプリケーションを月額5,680円(税別)で利用できます。
Web関係の仕事をしている人なら一度は利用したことがある以下のようなサービスを提供しています。
- Premiere Pro(プレミアプロ)…動画編集ソフト。YouTubeの動画編集としても使われることが多い。
- Photoshop(フォトショップ)…写真を加工したりデザインできる画像編集ツール
- Illustrator(イラストレーター)…イラストや文字をデザインできる画像編集ツール
「Adobe Creative Cloud」を利用すれば、カッコいい動画や、おしゃれなイラストを作成することができます。
アドビの「Adobe Creative Cloud」は、最新の機能が更新されることにより、使いやすさは常に改善されています。
顧客維持率は90%を超えており、クリエイターにとってはなくてはならないサービスとなりました。
アドビの強み
アドビはサブスクリプション(定額課金)で最も成功した企業の1つ。
ユーザー数に応じて売上が積みあがるビジネスモデルがアドビの強みです。
アドビはほとんどのソフトウェアをサブスクリプションで提供しています。
ソフトウェアを1度販売するだけではなく、継続的に顧客から稼ぐビジネスモデルです。
Webクリエイターは仕事を続ける限り「Adobe Creative Cloud」に月額5,680円(税別)の利用料を払わなければなりません。
サブスクリプションモデルの収益は、長期的にアドビの収益を安定させています。
アドビ銘柄分析
株価チャート
【アドビ株価チャート(10年)】

過去10年で株価は約10倍。
市場平均を大きく上回るパフォーマンス。
2019年の株価は、45.8%上昇しました。
売上高・営業利益・営業利益率
アドビの過去10年間の売上・営業利益・営業利益率のグラフです。

2012年から2013年にかけて、売上と営業利益が減少しています。
アドビは2012年からサブスクリプションのビジネスモデルに切り替えたため一時的に売上が落ち込みました。
しかし、その後は、ユーザーを安定的に獲得し、収益を積み上げることに成功しました。
2014年以降の売上が、安定して成長しているのが分かります。
また、アドビの事業は、利益率が高いのが特徴です。
これは、他に目立ったライバルがいないため、価格決定権を持っているからです。
直近の決算で確認した営業利益率は29.3%。
(日本企業であれば営業利益率10%以上が優良企業の目安)
EPS(1株あたり利益)

EPSは、2桁成長を維持しており、高成長が続いています。
「Adobe Creative Cloud」はユーチューバーの間でも使わる人気の動画編集ソフト。
近年、通信速度の高速化により、動画の数が世の中に増え「Adobe Creative Cloud」の需要が増しているのです。
今後は、5Gによって、この流れは加速していきます。
フリーキャッシュフロー
アドビの過去10年間の営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー・営業キャッシュフローマージンのグラフです。

フリーキャッシュフローは、余剰資金をどれだけ稼いだかを表す指標で『本当の意味での儲け』を表します。
余剰資金を安定して稼いでいる会社は、バランスシートが強固になり、株主還元に多くの資金をまわせるのです。
売上に対して、どれだけキャッシュを稼いだかを表す営業キャッシュフローマージン。
直近の決算で確認した営業CFマージンは36.0%で、キャッシュを効率的に稼ぐ企業であることが分かります。
(営業CFマージンは継続して15%以上であることが望ましい)
フリーキャッシュフローは長期で安定しており、景気が減速したとしてもサブスクリプション方式の収益により、今後も安定したキャッシュフローが期待できます。
株主還元(配当・自社株買い)
アドビは配当の支払いをせず、自社株買いも発行済株式の1%程度と多くはありません。

アドビの方針として、『企業価値を高めることが、もっとも良い株主還元』と考えています。
アドビは強いビジネスモデルを持っており、株価は10年で10倍になりました。
そんなアドビに対して、株主は満足しており、配当の支払いや株主還元を求める人が少ないようです。
そのため自己資本比率は50%、手元資金は潤沢にあります。
今後の株主還元に期待です。
今後の株価予想
アドビの株価は5年以内に760ドルまで上昇すると予想しています。
(主に過去のフリーキャッシュフロー、EPS、PERの推移などから将来の株価を予想)
アドビの予想PERは45倍で、市場平均と比べ割高感があるのは注意が必要です。
しかし、アドビに強力なライバルがいない中、クリエイティブソフトは今後も高い需要が見込まれます。
景気が減速したとしても、サブスクリプションモデルの収益は安定感があります。
また、潤沢な手元資金による、自社株買いや企業買収がみこまれます。
これからも事業の高い成長性、株価上昇による株主への還元が期待されます。
サブスクリプションで成功した会社の財務諸表は美しい♪