シスコシステムズ(CSCO)は、世界トップの通信機器メーカーです。
ネット接続に使うルーター、スイッチで圧倒的なマーケットシェアを持ちます。
直近の決算では、今後の見通しが悪かったため株価は冴えませんでした。
しかし、ソフトウェア・セキュリティ部門は増収増益で、私はシスコシステムズが通信機器を作るハードウェア会社からソフトウェアやサービスの会社に転換することに期待しています。
シスコシステムズ株価は下落基調
こちらはシスコシステムズの直近6カ月の株価チャートです。
S&P500が最高値を更新する中、大きく下落しています。
11月13日に同社が発表した第2四半期(11 月-1月期)ガイダンスが市場予想に届かなかったためです。
低調な売り上げ見通しは、米中貿易紛争を受けて企業がネットワーク機器(ハードウェア)の更新を後ろ倒しにしていることが原因です。
ハードウエアビジネスの売上高は前年同期比1%減の75億4000万ドルとなりました。
ハードからソフトへ、そしてサブスクリプションに
しかし今回の決算で良かった部分もあります。
ソフトウエア部門の売上高は前年同期比6%増の15億ドル。セキュリティー事業は前年同期比22%増の8億1500万ドルとなったことです。
チャック・ロビンス最高経営責任者(CEO)は、ネットワーキング用ソフトウエアとサービスの企業へと転換を進めています。
現在、ソフトウェアの売上比率は20%ですが、2020年には30%を超える見通しです。
そして、ソフトウェア収入の60%は、サブスクリプションベースにする目標です。
ソフトウェアやサービス企業の市場からの評価
ソフトウェア企業やサービス企業は市場からの評価が高い傾向にあります。
これは、ソフトウェア企業やサービス企業が形ある製品を持たないため、在庫リスクがなく、利益率が高い傾向にあるためです。
例えば、PCのOS「Windows」を提供するマイクロソフトは、5年前にサティア・ナデラCEOが就任し、クラウド事業を加速させたことにより 、 PC 市場が縮小する中でも好業績を達成しました。
株価は就任当時に比べて3 倍以上に上昇しています。
株式市場では、ハードウェア企業のPERは低く、ソフトウェア企業やサービス企業のPERが⾼い傾向にあるのです。
まとめ
直近の決算を受けて株価は下落基調で、配当利回りは3%を超えています。
しかし、ソフトウェア事業・セキュリティ部門は増収で、サブスクリプションベースの収入に移行しています。
今後もこの流れが続けば、利益は増加し、株式市場からの評価も高くなると予想しています。