マクドナルド(MCD)について
「マクドナルドのハンバーガーより、おいしいハンバーガーを作ることはできますか?」
この質問に対して「マクドのハンバーガーより、おいしいハンバーガーを作ることができる。」と答える人は多いと思います。
しかし、マクドナルドは世界100カ国以上、3万7,000店舗以上を運営する世界最大のハンバーガーチェーンとなりました。
NY証券取引所で上場しており、アメリカの優良企業30社しか採用されないNYダウ銘柄となっております。
美味しいハンバーガーを作るだけでは、ビジネスは成功しません。
マクドナルドは、ハンバーガーを販売するだけの会社ではなく、素晴らしいビジネスモデルを持った会社なのです。
事業内容
マクドナルドの事業の最大の魅力は、フランチャイズ(FC)方式で経営している点です。
マクドナルドには、直営店とFC店があります。
直営店は、米マクドナルド(MCD)が出資して、直接運営している店舗です。
FC店は、 店にはオーナーがいて、 米マクドナルド(MCD)とは別の法人や個人事業主が経営をします。
FC店のオーナーは、マクドナルドのブランドを使って事業を運営したり、マクドナルド(MCD)から経営やマーケティングのノウハウを教えてもらうことができます。
米マクドナルド(MCD)の場合、世界販売店舗のほとんどが、FC店です。
FC店舗の売上高の数%と不動産賃貸料をロイヤリティとして徴収しています。
東証JASDAQに上場している日本マクドナルド(2702)はFC店で、米マクドナルドに対してロイヤリティを支払っています。
FC経営は利益率が高く、経営リスクが少ないのが特徴です。
直営店の粗利率17%に対して、FC店の粗利率は80%を超えています。
FC店は、世界一のレストランブランドを使うことができる代わりに、米マクドナルド(MCD)に対して永遠にロイヤリティを支払い、売上が伸びず廃棄が出た場合はFC店の損失となります。。
株価チャート
株価は、この10年で4倍近く上昇しています。
S&P500をアウトパフォームしています。
現在、PERは28.71倍、配当利回りは2.1%です。
業績
直近の営業利益率は40%で、利益率の高い事業です。
売上が近年減ってきているのは、直営店をフランチャイズ化しているためで全く問題ありません。
経費を抑えることが出来てロイヤリティを受け取れるFC事業は利益率を向上させます。
2014年でEPSが大きく下がったのは、鶏肉偽装問題があったためです。
日本マクドナルド(2702)は赤字になりましたが、米マクドナルド(MCD)は利益率の高いFC事業であるため赤字転落しにくいのです。
キャッシュフロー
キャッシュについても安定して創出することができています。
株主還元
配当は43年連続増配中です。
配当性向は50%台で、増配余地があります。
自社株買いを積極的にしていて、10年で株数を約3割減らしています。
配当、自社株買いともに株主還元については申し分ない水準です。
10年後株価予想
2009年と2018年のEPSから算出した10年間のEPS年平均成長率(CAGR)は14.7%となります。
2018年のEPSは7.54米ドルで、毎年14.7%のEPS成長率だった場合、10年後の予想EPSは25.90米ドルとなります。
過去10年間のPERは以下の通りです。
最高値:26.86倍(期末時点)
最低値:15.19倍 (期末時点)
5年平均:23.69倍 (期末時点)
現在:28.71倍
2029年時点でPERが過去5年平均23.69倍だった場合、10年後の予想株価は613米ドルとなり現在の株価と比べて3倍近く高い株価となります。
過去10年間で、安定して高い収益力を維持していること、直近の10年間で株価が4倍近くになっていることを考えるとマクドナルド(MCD)にとっては、それほど難しいことではないと思います。
コメント
米マクドナルド(MCD)は世界一のレストランというブランドを確立したことにより、利益率が高くリスクの少ないFC店を増やすことに成功しています。
米マクドナルド(MCD) の株主は世界中のFC店から収集されたロイヤリティを配当、自社株買い、株価の上昇で得ることが出来ます。
マクドナルドのハンバーガーや、商品ラインナップ、利便性は世界中の人々から愛されています。
これから新興国の給与水準が上がることによって、マクドナルドのハンバーガーを食べる人は増えるでしょう。
そうすれば米マクドナルドはさらなる事業の拡大が見込まれます。
現在のPER28.71は少し割高感があります。
私はPER25倍程度になれば、自分なりの大きい金額で追加投資を検討、現在の水準であれば少額で追加投資したいと思います。