マイクロソフトについて
私がマイクロソフトに投資している一番の理由がクラウドサービス「Azure(アジュール)」です。
世界のクラウド市場の成長率は年率約16%と高い成長性が見込まれます。
市場がこれだけ高成長しているのは、企業がクラウドを利用することによりIT設備の投資費用を削減することができるからです。
クラウドサービスを利用する顧客は、クラウド企業の管理するリモートセンターにあるサーバーにアクセスし、ソフトウェアを動かしてサービスを利用します。
つまり従来のように、前もって社内に専用のシステムを準備しなくてよいのです。
高額なIT設備の投資は不要、また使用するコンピューターにソフトをインストールする必要もありません。
インターネットに繋がりさえすれば、契約後いつでも、どこからでもリモートセンターに繋いで、最新のサービスを受けることができます。
また、景気が低迷した場合、企業はアウトソーシングしようとする動きが高まるため安定的な需要が見込めます。
そして、2014年からマイクロソフトCEOとなったサティア・ナデラは天才経営者で、今までの売り切り型のビジネスではなく、サブスクリプション型のビジネスに切り替え安定的な収益基盤の構築に成功しました。
事業内容
【売上内訳】
マイクロソフトの事業は 「Productivity and Business Processes」「Intelligent Cloud」「More Personal Computing」の大きく3つに分かれます。
「Productivity and Business Processes」は、主にコマーシャル向けOffice製品の販売で、3月末時点のOffice365サブスクリプションの契約者数は3,420万人です。
「Intelligent Cloud」は、クラウドとサーバ製品の事業で、クラウドサービス「Azure」 が成長をけん引していることが分かります。
「More Personal Computing」はWindows、Surface、Xboxなどの販売で、Surfaceはビジネスシーンでも多く使われるようになりました。
株価チャート
株価は、この10年で5倍以上になっています。
S&P500を大きくアウトパフォームしています。
現在、PERは27.23倍、配当利回りは1.3%です。
業績
直近の営業利益率は34%で、利益率の高い事業です。
2014年にサティア・ナデラCEOが就任し、サブスクリプションの収益モデルに上手く移行できたため直近は利益率が上昇傾向です。
EPSについては波がありますが、サブスクリプションへの収益構造に移行できたこと、クラウド事業が好調で不況への体制もある程度あるため、今後はEPSが安定するのではないかと予想します。
キャッシュフロー
キャッシュフローについては非常に安定しており、キャッシュ創出力が非常に高いことが分かります。
株主還元
1株あたり配当は、10年で3.3倍になりました。
配当性向は30%台で、増配余地はあります。
自社株買いを積極的にしていて、10年で株数を約13%減らしています。
10年後株価予想
2010年と2019年のEPSから算出した10年間のEPS年平均成長率(CAGR)は10.3%となります。
2019年のEPSは5.06米ドルで、毎年10.3%のEPS成長率だった場合、10年後の予想EPSは12.22米ドルとなります。
過去10年間のPERは以下の通りです。
最高値:41.80倍(期末時点)
最低値:11.88倍 (期末時点)
5年平均:34.20倍 (期末時点)
現在:27.43倍
2029年時点でPERが過去5年平均34.20倍だった場合、10年後の予想株価は418米ドルとなり現在の株価と比べて3倍高い株価となります。
コメント
過去10年間で安定して高い収益力を維持していること、クラウド事業とサブスクリプション型のビジネスモデルが上手くいっていること、直近の10年間で株価が5倍以上になっていることを考えると、10年後の株価については非常に期待できます。
PERは過去平均と比べれば少し割高ですが、現在の株価水準であれば追加投資していきたいと思います。