第4四半期決算発表
クレジットカード大手のビザ(V)が第4四半期決算を発表。
内容は非常に良かったです。
営業収入:61億ドル(市場予想は60.8億ドル、前年比+13%)
1株あたり利益(調整後):1.34米ドル(市場予想は1.23ドル、前年比+9%)
2020年度通期ガイダンス1株あたり利益(調整後):10%台半ばの伸び率
ビザの2019年7~9月期決算は増収増益で、市場予想を上回りました。
また、2020年度についても2桁成長の見通しです。
世界的にキャッシュレス化が進んでおり、取引決済金額については前年比7%増加したことが要因です。
ビザ(V)の強み
●顧客のクレジットリスクがない
カード決済処理手数料を金融機関から得るビジネスモデルで、実際のカード発行や金利設定は金融機関が行っています。
クレジットリスクについてはカード発行金融機関が負うため、ローンの焦げ付きなど貸し倒れリスクはない。
●長短借入金がない
有利子負債がゼロで、今後利上げしたとしても金利コスト増加の心配がない。また、不況になった際の耐性あり。
●株主還元
自社株買いに積極的で配当についても毎年増配中。
ビザ(V)今後の注目ポイント
●セキュリティ対策
今年、セブンPayの不正利用が大きな問題となりました。
また、アメリカでは小売りチェーン大手ターゲットやホームセンター大手ホーム・デポで顧客情報流出事件が発生し、セキュリティへの関心は高まっています。
ビザは、サイバーセキュリティー大手ファイア・アイ、米保険大手エース・グループ、ソニーピクチャーズエンタテインメント、医療保険大手アンセムなどと提携し、セキュリティー対策に力を入れています。
今後も、セキュリティーの高いビザの決済プラットフォームはキャッシュレス化の中心となることが期待されます。
●海外事業の拡大
2010年度の海外売上比率は41%でしたが、現在の海外売上比率は54%となりました。
世界では、まだまだ現金を使っている国が多いのが現状で、日本のキャッシュレス比率は20%程度しかありません。
日本でのデビットカード発行が増えたことが、今回の決算が良かった一つに要因でもあります。
そういった国々でビザのブランドを浸透させていくことが今後の成長を左右していくでしょう。
今後の株価見通し
2019年度利益から見たPERは約33倍で割安感はありません。
しかし、ビザのセキュリティが高く、高速決済プラットフォームは、世界的に加速するキャッシュレス化にとって、なくてはならない存在です。
その強固なプラットフォームで市場を独占しており、営業利益率は60%を超えています。
潤沢なフリーキャッシュフローで、負債ゼロ、手元資金は40億ドル保有しています。
不況時には、自社株買いやM&Aなど期待されることから、現在の株価水準であれば追加投資していきたいと思います。