コロナはハイテク技術を加速させます。
実際、SARSでアリババ集団(BABA)は大きく成長。
中国を代表するIT企業になり、従業員10万人を超えました。
今回は、アリババが今よりもずっと小さい会社だった頃の話をします。
Contents
SARSでアリババは急成長!
アリババを襲ったSARS
2002年11月、アリババが創業して4年目のことでした。
17名で始めた事業は、Alibaba.com(eコマースサービス)が軌道に乗り、社員が数百名まで増えました。
宝網(タオバオ)というサービスはリリース間近。
さらに事業を拡大させようとしていました。
そんな中、アリババを襲ったのがSARS(重症急性呼吸器症候群)。
社員の一人にSARS感染が疑われたのです。
アリババの本社は閉鎖を余儀なくされました。
社員約500名は、自宅に隔離されてしまったのです。
アリババは、当時スタートアップで、それほど現金がなかったため宝網のリリースを遅らせる余裕はありませんでした。
アリババにとって大切な日『アリ・デー』
宝網をリリースしなければ会社が、潰れるかもしれないという状況。
しかし、アリババの社員たちは諦めませんでした。
パソコンと書類、電話を、家に持ち帰り仕事を続けたのです。
テレビ会議システムがない中、複数の人とコミュニケーションを取り仕事を進めていくのは多くの時間がかかりました。
社員たちは、寝る間も惜しまず働きました。
そして、家族は、社員が仕事に専念できるようサポートしたのです。
一致団結した結果、宝網は無事リリースすることができました。
アリババは、苦難を乗り切っただけではありません。
SARSで、中国市民は外出を恐れていました。
そのため、中国の人々はネットショッピングの利用を加速させました。
SARSにより、中国が世界一のEコマース大国となったのです。
宝網は中国でもっとも利用されるEコマースとなりました。
翌年、社員の一人が
『この日を忘れてはいけない。
社員と家族で集まるイベントを開こう。』
と言い出したのです。
アリババは、毎年5月10日を『アリ・デー』という記念日に定め、社員、その家族と一緒に祝うことにしました。
コロナウイルスはハイテクを加速させる
成長を続けるアリババ
今回のコロナウイルスでもアリババは大活躍。
アリババのビデオ会議システム『釘釘(ディントーク)』がユーザー数を伸ばしています。
今年の2月にバージョンアップを行い、コロナウイルスの環境でも多くの中国企業がリモートワークしやすいようにしたのです。
釘釘のユーザー数は2億人を超えています。

コロナウイルスはハイテク投資に追い風
今回の、コロナウイルスでハイテク技術への注目が集まっています。
世間では、やっと無駄な通勤時間、無駄な会議などが認識されだしたのです。
リモートワーク関連銘柄として、テレビ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)や、スラック・テクノロジーズ(WORK)など注目が集まっています。
今回のコロナウイルスで、アリババのように成長する会社が出てくるか、アリババがさらに成長するのか注目です。
私は、ソフトバンクグループを通して間接的にアリババに投資をしています。
コロナウイルスで注目されるハイテク株については、米国投資情報サイト『モトリーフール』 で多く取り上げられています。
災い転じて福となすという言葉があります。
苦境は、人や会社を強くする。
