ESG投資拡大でタバコ株は下落
S&P500が最高値近辺で推移する中、タバコ株のパフォーマンスがさえません。
私が保有しているフィリップ・モリス(PM)の株価は、この2か月間で20%近く下落しています。
【フィリップ・モリス2カ月チャート】
フィリップ・モリスだけでなく、JT(2914)、アルトリアグループ(MO)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)などのタバコ銘柄のも下落しています。
タバコ株が下落する要因としては、ESG投資の高まりです。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものです。
企業と社会の長期的な成長のためには、ESGが示す3つの観点が必要だという考え方が世界的に広まりました。
タバコは健康に悪いため、ESGとは対照的なものとなります。
運用会社や年金基金のように、投資家からお金を預かって運用している機関投資家は、投資家のニーズに答えなければいけません。
世界的にESGの風潮が高まれば高まるほど、機関投資家は保有しているタバコ株を売却しなければならないのです。
個人投資家はチャンス到来!
では、われわれ個人投資家は、ESGの高まりでタバコ株は、もうダメそうだから売った方がいいのでしょうか。
私は、このような逆風がある時こそタバコ株のリターンは高まるため、積極的に買うべきだと思います。
私は、1年以上前にフィリップ・モリスの株式を買いました。
当然、その時からタバコが体に悪いということを知っていました。
私たちは体に悪いと思いながらも、カップラーメンを食べたり、お菓子を食べたり、お酒や炭酸飲料を飲んだりします。
体に悪いと思いながらも、それらの行動を取るか取らないかは、個人個人が選択すればいいだけのことなのです。
タバコを吸うか吸わないか、タバコ会社の株に投資するか投資しないかも同じです。
個人個人が決めればいいのです。
私は機関投資家と違い自分のお金で、タバコ株に投資しているので「タバコは体に悪いからそんなものに投資するんじゃない。」と言われても無視すればいいだけなのです。
フィリップ・モリス(PM)に投資する理由
タバコという事業は参入障壁が高く 、利益率が高い のが特徴です。
タバコ事業で稼いだ営業キャッシュフローのほとんどが、フリーキャッシュフローになっています。
事業の利益率を表す営業キャッシュフローマージンについても高い水準 をキープしています。
タバコの葉を育てるためには国の認可が必要となる場合が多く、参入障壁が高いためタバコ会社に価格決定権があるのです。
また、タバコ事業は研究開発費や設備投資にお金がかからないため、安定的にキャッシュを創出することができます。
配当利回りは6.5%で高配当ですが、安定したフリーキャッシュフローがあるため減配のリスクは低いと考えます。
タバコ会社の不人気は今に始まったことではありません。
そんな中、フィリップ・モリスは20世紀後半にS&P500の中で最も運用成果が良かったのです。
ジェレミー・シーゲル著の「株式投資の未来」P38から引用
フィリップ・モリスが運用成績ランキング首位と聞いて、意外に思う向きもあるだろう。フィリップ・モリスといえば、規制や訴訟といった集中砲火にさらされて、数十億ドルの賠償金コストを抱え込み、破綻の恐れさえある。
だが資本市場では、企業にとっての悪材料が、投資家にとっての好材料に転じることがある。フィリップ・モリス株の場合、誰もが買いを手控え、危険な製品「タバコ」の製造者として巨額の賠償金支払いを命じられたことから、破綻の恐れもあると噂された。人気が離散した結果、株価が下がり、辛抱強く保有し続けた投資家のリターンは押し上げられた。
フィリップモリスが生き残り、引き続き高水準な利益を稼ぎ出し、それを配当の形で投資家に還元するかぎり、投資家は今後とも飛びぬけたリターンを手にするだろう。
私は、機関投資家が投資できず、個人投資家が保有することすら不安になっている今、フィリップ・モリスに追加投資するべき だと思います。