今回は、画像や動画処理ソフトウェア大手のアドビ(ADBE)の銘柄分析です。
この記事は、2020年9月16日に更新しました。データソースは、こちらです♪
金融機関で働いていた私が投資をする際にチェックしている点を中心にまとめています。
今回の注目ポイントはこちら♪
- サブスクで成功した会社。売上高は2桁成長で、売上高の93%がサブスク!
- クリエイティブ・ソフトウェアで圧倒的なポジション。粗利率は驚異の87%!
- 強固なバランスシートを保有。新型コロナの環境でも研究開発・マーケティングに多額の資金を投入。競合他社を寄せつけない!
それでは、見ていきましょ〜♪
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アドビ(ADBE) 基本データ
基本情報
会社名 | Adobe Inc |
ティッカー | ADBE |
本社 | カリフォルニア州 |
決算 | 11月 |
セクター | 情報技術 |
設立 | 1982年 |
上場 | 1986年 |
事業内容
アドビ(ADBE)は、1982年に創業した老舗ソフトウェア企業。
「PDF」のサービス提供していることで有名です。
しかし、PDFは事業のほんの一部。
私が注目しているのは「Adobe Creative Cloud」というサービス。
このサービスに登録すると、20を超えるアプリケーションを月額5,680円(税別)で利用できます。
Web関係の仕事をしている人なら一度は利用したことがある以下のようなサービスを提供しています。
- Premiere Pro(プレミアプロ)…動画編集ソフト。YouTubeの動画編集としても使われることが多い。
- Photoshop(フォトショップ)…写真を加工したりデザインできる画像編集ツール
- Illustrator(イラストレーター)…イラストや文字をデザインできる画像編集ツール
「Adobe Creative Cloud」を利用すれば、カッコいい動画や、おしゃれなイラストを作成することができます。
アドビの「Adobe Creative Cloud」は、最新の機能をいつでも更新することができて、使いやすさは常に改善されています。
顧客維持率は90%を超えており、クリエイターにとってはなくてはならないサービスとなりました。
株価チャート
アドビの過去10年間の株価は、市場平均を大きく上回るパフォーマンスをあげています。
アドビ(ADBE) 業績
売上高・営業利益
市場予想 | 売上高 | 成長率 |
2020年度 | 12.74B | 14.00% |
2021年度 | 14.67B | 15.10% |
2012年から2013年にかけて、売上と営業利益が減少しています。
アドビは2012年からサブスクリプションのビジネスモデルに切り替えたため一時的に売上が落ち込みました。
しかし、その後はユーザーを安定的に獲得し、収益を積み上げることに成功しました。
2014年以降の売上が、安定して成長しているのが分かります。
直近の四半期決算で確認した売上高に占めるサブスクリプションの割合は、93.0%。
営業利益率
本業の儲けを表す営業利益率は、非常に高い水準を維持しています。
これは、アドビのサービスが素晴らしく、他に目立ったライバルがいないため、価格決定権を持っているからです。
サービスの付加価値の高さを表す粗利率は10年以上80%台で、非常に高い水準を維持しています。
直近の決算で確認した粗利率は86.7%。
EPS(1株当たり利益)
BPS(1株当たり純資産)
1株あたりの純資産は10年で2倍になりました。
手元キャッシュは潤沢で借入が少なく、非常に強固なバランスシートを保有しています。
直近の決算で確認した現金と短期有価証券は52.6億ドルにもなります。
キャッシュフロー
近年、キャッシュフローは安定して成長しています。
アドビはサブスクリプションで、大きく成功した会社の1つです。
ユーザー数が増えれば増えるほど利益率が高まるのがアドビの強みです。
アドビ(ADBE) 株主還元
1株あたり配当
アドビは配当の支払いをしていません。
自社株買い
過去10年で発行済株数の約6%を減らしました。
2020年6月〜8月についても150万株の自社株を6億1700万ドルで買い戻しており、積極的に自社株買いをしています。
アドビ(ADBE) バリュエーション
PER(株価収益率)
過去5年間の平均 | 57.09倍 |
2020年9月16日時点 | 65.66倍 |
PBR(株価純資産倍率)
過去5年間の平均 | 11.43倍 |
2020年9月16日時点 | 21.94倍 |
PCFR(株価キャッシュフロー倍率)
過去5年間の平均 | 32.56倍 |
2020年9月16日時点 | 50.53倍 |
アドビ(ADBE)四半期決算
EPS(1株あたり利益)の市場予想と結果
過去8回の決算のうち、市場予想を上回ったのが7回、下回ったのが1回。
売上高の市場予想と結果
過去8回の決算のうち、市場予想を上回ったのが7回、下回ったのが1回。
2020年度第3四半期決算について
9月15日引け後に、第3四半期(6月〜8月期)決算を発表しました。
EPSと売上高は市場予想を上回ったものの、第4四半期売上高ガイダンスが予想を下回りました。
- EPSは、市場予想2.41ドルに対して、結果2.57ドル
- 売上高は、市場予想31.6億ドルに対して、結果32.3億ドル
- 売上高は前年同期比14%増
- 第4四半期EPSは、市場予想2.64ドルに対して新ガイダンス2.64ドルを提示
- 第4四半期売上高は、市場予想33.6億ドルに対して新ガイダンス33.5億ドルを提示
ガイダンスがやや弱かったものの四半期ベースの売上高や営業キャッシュフローは過去最高となり、株価は時間外取引で約2%上昇しました。
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銘柄分析 コメント
過去10年間でアドビの株価は、1,419%も上昇しました。
PERは60倍台で超割高なバリュエーションで取引されています。
当然ですが、次の10年間で、同程度のパフォーマンスをあげるのは難しいでしょう。
しかし、今後もアドビは魅力的な投資先だと考えます。
アドビは、サブスクリプション・ビジネスで最も成功した企業のひとつであり、競合他社が追いつけない位置にいるからです。
サブスクリプション比率90%超えの売上高は非常に安定しており、売上高は2桁成長が続くと予想されています。
また、アドビは強固なバランスシートを保有しており、新型コロナで先行き不透明な環境下でも、研究開発やマーケティングに多額の資金を使い競合を寄せつけません。
直近の四半期決算で確認した研究開発費は5.66億ドル(前年比+15.5%)にもなります。
これによりアドビのサービスは、どんどんクオリティを増していくでしょう。
また、マーケティングに8.92億ドル(前年比+9.0%)投下しており、新たなユーザーを次々と獲得しています。
アドビは、既にクリエイティブ・ソフトウェアの市場で圧倒的なポジションにあり、安定したサブスクリプション・ビジネスと強固なバランスシートは他社を寄せ付けることは、しばらくないでしょう。
コロナ環境で、これだけの研究開発とマーケティングができるアドビの競合はいない。低金利の環境もアドビのバリュエーションを正当化させている♪
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