今回は、肥満症薬で急成長するイーライリリーの銘柄分析です。
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肥満症薬で急成長するイーライリリー(LLY)今後の株価見通し!事業内容や将来性を分析!
Eli Lillyの将来性は?
Eli Lillyは買いなの?
株価は割安なの?割高なの?
決算は良かったの?
このような疑問を解決できるように、動画を作りました。
この動画を見ていただくと、
投資初心者の方でもEli Lillyのビジネスモデルを詳しく理解することができます。
また、業績の推移やバリュエーションを確認することにより、投資で大きな失敗をしにくくなります。
こちらが私のカンタンなプロフィールです。
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それでは、Eli Lillyの銘柄分析を始めます。
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イーライリリー(LLY)会社概要
まず始めに、イーライリリーが、どんな会社なのか概要がこちらです。
会社名 | Eli Lilly and Company |
本社 | アメリカ合衆国 インディアナ州 |
時価総額 | 8,029億ドル |
CEO | デイビット・A・リックス |
創業 | 1876年 |
上場 | 1970年 |
従業員数(2023年12月) | 43,000名 |
どんな会社?
イーライリリーは、1876年に創業された歴史ある製薬会社です。
本社をアメリカのインディアナ州に置き、グローバルに事業を展開しています。
時価総額8,029億ドルに達し、世界の企業の中で9番目の規模を誇ります。さらに、ヘルスケア企業としては世界最大の規模となっています。
イーライリリーは、革新的な医薬品開発で高い評価を得ています。
特に、糖尿病治療薬の分野では世界トップクラスの地位を確立しました。
同社の歴史上、最も注目すべき成果は、世界で初めてインスリンの大量生産を実現したことです。
この功績により、多くの糖尿病患者の生活が大幅に向上しました。
現在も、糖尿病治療薬の開発に注力しており、この分野での強みを維持し続けています。
しかし、同社の製品ラインナップは糖尿病治療薬だけではありません。
がん治療薬や免疫系疾患の治療薬など、幅広い分野で製品を展開しているのです。
最近、特に話題を集めているのが、肥満治療薬「ゼップバウンド」です。
この薬は、高い体重減少効果で注目を浴びており、イーライリリーの新たな成長の原動力になると期待されています。
このように、イーライリリーは世界有数の製薬企業として、人々の健康増進と生活の質向上に貢献し続けているのです。
イーライリリー(LLY)事業内容
イーライリリーの事業内容と強みについて解説します。
同社は、人々の健康を支える医薬品の研究開発に力を入れる世界的な製薬企業です。
薬品別の売上高
幅広い製品ラインナップを持ち、多角的な事業展開を行っています。
以下は、2024年第二四半期の決算情報に基づく医薬品ごとの売上高と売上成長率をまとめた表です。
薬品名 | 効能 | 売上高 | 売上構成 | 売上成長 |
---|---|---|---|---|
マンジャロ | 糖尿病治療 | 30.9億ドル | 27% | +216% |
ゼップバウンド | 肥満治療 | 12.4億ドル | 11% | 新製品 |
ベージニオ | がん治療 | 13.3億ドル | 12% | +44% |
トルリシティ | 糖尿病治療 | 12.5億ドル | 11% | -31% |
ジャディアンス | 糖尿病治療 | 7.7億ドル | 7% | +15% |
トルツ | 乾癬治療 | 8.25億ドル | 6% | +17% |
ヒューマログ | 糖尿病治療 | 6.32億ドル | 7% | +43% |
その他 | ー | 21.7億ドル | 19% | ー |
合計 | ー | 113億ドル | 100% | +36% |
イーライリリーの事業内容は、主に以下の3つに分けられます。
1つ目は、糖尿病・肥満症治療薬です。
この分野は売上の約6割を占める主力事業となっています。
代表的な製品には、糖尿病治療薬「トルリシティ」と「マンジャロ」、肥満症治療薬「ゼップバウンド」があります。
特に「マンジャロ」と「ゼップバウンド」は、GLP-1と呼ばれる新しいタイプの薬で、その高い効果が注目を集めているのです。
2つ目は、がん治療薬の分野です。
ここでは「ベージニオ」が主力製品となっており、特に乳がんの治療に大きく貢献しています。
3つ目は、免疫系疾患治療薬の分野です。
代表的な製品として、乾癬(かんせん)治療薬の「トルツ」があります。
乾癬は皮膚に赤い斑点や白いかさぶたができる病気で、「トルツ」はその症状を和らげる効果があるのです。
さらに、イーライリリーは新しい分野にも積極的に挑戦しています。
その一つが、アルツハイマー病治療薬の開発です。
「ドナネマブ」という薬が注目を集めており、今後の成長が期待されています。
地域別売上高
イーライリリーの事業は世界規模で展開されており、108カ国で製品が販売されています。
アメリカ市場での存在感が大きく、全体売上の約7割を占めています。
以下は、2024年第二四半期の決算に基づく地域別の売上高と売上高成長率をまとめた表です。
地域 | 売上高 | 成長率 |
---|---|---|
米国 | 78.4億ドル | +42% |
ヨーロッパ | 14.0億ドル | +19% |
日本 | 4.6億ドル | +2% |
中国 | 4.0億ドル | -1% |
その他 | 12.1億ドル | +61% |
合計 | 113億ドル | +36% |
特に、アメリカでの売上高が大幅に増加しました。
これは「マンジャロ」と「ゼップバウンド」の需要が好調だったことが要因です。
アメリカ以外の市場でも、「マンジャロ」の新規投入が成長を後押ししています。
このように、多様な市場にアクセスできることが、イーライリリーの市場シェア拡大と収益増加につながっているのです。
強み
製薬会社にとって、優れた薬を開発することはもちろん重要ですが、それを患者さんに確実に届ける能力も同様に大切です。イーライリリーは、この製品供給能力においても大きな強みを持っているのです。
特に注目すべきは、糖尿病治療薬「マンジャロ」と肥満治療薬「ゼップバウンド」への需要急増に対応するための取り組みです。
同社は、インディアナ州に5億ドル以上を投資し、新たな製造施設を建設中です。
この施設は2026年末から2028年にかけて本格稼働する予定で、主力製品の生産量を大幅に増やすことができるようになります。
この供給能力の拡大は、急増する需要への対応を可能にし、市場シェアの拡大や売上の増加につながると期待されています。
つまり、より多くの患者さんに製品を提供できるだけでなく、ビジネス面でも大きなメリットがあるのです。
さらに、イーライリリーは既存の製造施設のアップグレードや新たな施設の取得にも積極的に取り組んでいます。
これにより、製造プロセスの効率化と製品供給の安定化を図っています。
製造の拡大は、今後の需要に対応するための重要な要素であり、同社の成長を支える大きな柱となっているのです。
このように、イーライリリーは強力な研究開発体制と確実な製品供給能力を両立させることで、市場での先行者利益を獲得しています。
イーライリリー(LLY)将来性
次に将来性を確認します。
- GLP-1受容体作動薬のさらなる可能性
- アルツハイマー病市場への進出
GLP-1受容体作動薬のさらなる可能性
イーライリリーのGLP-1受容体作動薬は、糖尿病と肥満症の治療以外にも、大きな可能性を秘めています。
まず、心臓病のリスク低減効果が注目されています。
イーライリリーの「チルゼパチド」(マンジャロとゼップバウンドの一般名)が、肥満症と心不全を持つ患者の心不全リスクを38%も減少させたという研究結果があるのです。
次に、睡眠時無呼吸症候群への効果も期待されています。
イーライリリーの研究によると、「チルゼパチド」がこの症候群の重症度を最大62.8%も減少させたそうです。
睡眠時無呼吸症候群の約70%が肥満であることを考えると、この効果は多くの患者に恩恵をもたらす可能性があります。
さらに、腎臓病や肝臓病のリスク低減効果も報告されています。
これらの病気は現代社会で増加傾向にあり、かなり大きな市場です。
これらの新たな応用が認められれば、GLP-1受容体作動薬の使用範囲が大きく広がり、イーライリリーのアドレス可能な市場も拡大するでしょう。
また、これらの効果が認められることで、保険適用の範囲が広がる可能性もあります。
イーライリリーがGLP-1受容体作動薬の分野でリーダーシップを維持できれば、同社の将来性はさらに高まることでしょう。
アルツハイマー病市場への進出
イーライリリーは、アルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」の開発に成功し、2024年7月に米国FDAから承認を受けました。
アルツハイマー病は、高齢化社会の進展に伴い患者数が増加しています。
「ドナネマブ」は、アルツハイマー病の原因とされる脳内のアミロイドβタンパク質を減少させる効果があります。
臨床試験では、認知機能や日常生活動作の低下を35%抑制したという結果が出ており、患者さんとそのご家族に大きな希望をもたらしています。
市場規模の面でも、アルツハイマー病治療薬は大きな可能性を秘めています。
アナリストによると、この市場は2024年から2033年にかけて年平均19%で成長し、2033年には310億ドル規模に達する見込みだそうです。
さらに、「ドナネマブ」は競合他社の製品と比べて治療期間が短く、患者さんの負担が少ないという利点があります。
これらの特徴が、市場でのシェア獲得につながると期待されているのです。
このように、イーライリリーは既存の主力事業に加えて、新たな成長ドライバーを持つことで、さらなる発展が期待できる企業といえるでしょう。
イーライリリー(LLY)最新の決算
8月8日に2024年第2四半期(4-6月期)の決算を発表し、とても良い内容でした。
EPS・売上高ともにアナリスト予想を上回り、高い成長率を示しました。
🔸FY24 Q2業績
⭕️EPS: $3.92 (予想比+$1.22)
⭕️売上高: $113億 (予想比+$13.5億)
📈売上高成長率: +36% Y/Y
利益面では、1株当たり利益(EPS)が3.92ドルとなり、市場予想を大きく上回りました。これは前年同期と比べて86%も増加しているのです。
売上高も素晴らしい伸びを見せ、前年同期比36%増の113億300万ドルに達しました。
この成長を牽引したのが、糖尿病治療薬「マンジャロ」と肥満症治療薬「ゼップバウンド」です。
特に「マンジャロ」の売上高は30億9000万ドルと、市場予想の23億7000万ドルを大幅に上回りました。
「ゼップバウンド」も12億4000万ドルの売上を記録し、両製品が同社の成長エンジンとなっています。
この好調な業績を受けて、イーライリリーは通期の業績予想を大幅に上方修正しました。
🔸FY24通期ガイダンス
⭕️EPS: $16.10-$16.60 (従来$13.50-$14.00)
⭕️売上高: $454億-$466億 (従来$424億-$436億)
📈売上高成長率: +30% Y/Y
1株当たり利益(EPS)の見通しを16.10~16.60ドルに引き上げました。
また、売上高の予想も30億ドル引き上げ、454億~466億ドルとしています。
注目すべき点として、同社は2024年下半期のインクレチン製剤の生産量が、前年同期の少なくとも1.5倍になると予想しています。
これは、供給能力の拡大が順調に進んでいることを示す重要な指標といえるでしょう。
この決算結果は、イーライリリーの成長戦略が成功していることを如実に示しています。
特に、GLP-1受容体作動薬を中心とした糖尿病・肥満症治療薬の成長が顕著であり、今後もこの分野が同社の成長を牽引していくことが期待されます。
このように、イーライリリーの最新決算は非常に好調であり、今後の成長に期待が高まる内容となっています。
イーライリリー(LLY)バリュエーション
次は、バリュエーションを確認します。
近年、イーライリリーの株価は急速に上昇し、それに伴いバリュエーションも高くなっています。
株価収益率(PER)
PER(今後12カ月) | 51.4倍 |
PER(過去12カ月) | 109.4倍 |
過去5年平均 | 52.7倍 |
まず、株価収益率(PER)を見てみましょう。
PERは、株価を1株当たりの利益で割った値で、数値が低いほど割安と考えられます。
イーライリリーの予想PERは51.4倍です。
これは、S&P500の予想PER20.2倍と比べるとかなり高い水準と言えます。
株価売上高倍率(PSR)
PSR(今後12カ月) | 17.4倍 |
PSR(過去12カ月) | 20.6倍 |
過去5年平均 | 10.5倍 |
次に、株価売上高倍率(PSR)を見てみましょう。
PSRは、株価を1株当たりの売上高で割った値です。
イーライリリーのPSRは約17.4倍で、これも業界の中央値(2.2倍)を大きく上回っています。
このように、一般的なバリュエーション指標で見ると、イーライリリーの株価は割高に見えます。
現在の株価には、かなり楽観的な将来予測が織り込まれているといえるでしょう。
もし成長が予想を下回れば、株価が大きく下落するリスクもあることに注意が必要です。
しかし、アナリストの予想を見ると、長期的な成長性が高いことがわかります。
アナリストEPS予想
会計年度 | 予想EPS | 成長率 | PER |
---|---|---|---|
2024年 | $15.51 | 182.4% | 57.5x |
2025年 | $21.18 | 36.6% | 42.1x |
2026年 | $27.58 | 30.2% | 32.3x |
2027年 | $32.99 | 19.6% | 27.0x |
例えば、2024年のEPS(1株当たり利益)は15.51ドルと予想されていますが、2027年には32.99ドルまで成長すると見込まれています。
アナリスト売上高予想
会計年度 | 予想売上高 | 成長率 | RSR |
---|---|---|---|
2024年 | $451.9億 | 34.9% | 17.8x |
2025年 | $556.4億 | 23.1% | 14.4x |
2026年 | $657.6億 | 18.2% | 12.2x |
2027年 | $740.6億 | 12.6% | 10.8x |
売上高も2024年の451.9億ドルから、2027年には740.6億ドルまで拡大すると予想されています。
このような高い成長率を考慮すると、長期投資の観点では現在の株価はそれほど割高ではないかもしれません。
2027年の予想PERは27倍、PSRは10.8倍まで低下する見込みです。
現在の高いバリュエーションに注意しつつ、長期的な成長性を評価することが重要でしょう。イーライリリーへの投資を検討する際は、短期的なリスクと長期的な成長性のバランスを十分に考慮して下さい。
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イーライリリー(LLY)投資判断とまとめ
最後に個人的な投資判断と今回の動画をまとめます。
イーライリリーは、製薬業界の革新をリードする企業として、長期投資家にとって極めて魅力的な選択肢です。
同社の強みは、糖尿病と肥満治療薬市場でのリーダーシップにあります。
特にGLP-1受容体作動薬の「マンジャロ」と「ゼップバウンド」は急速に売上を伸ばしており、今後も成長が期待できます。
さらに、これらの薬には糖尿病や肥満以外の効果も期待されており、将来的な用途拡大の可能性も高いと言えるでしょう。
さらに、アルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」の承認は、新たな成長機会をもたらす可能性があります。
この市場は今後急速に拡大すると予想されており、イーライリリーにとって大きなチャンスとなるでしょう。
最新の決算も好調で、売上高・利益ともに市場予想を大きく上回りました。
通期の業績見通しも上方修正されており、当面の成長は順調そうです。
一方で、バリュエーションの高さには注意が必要です。
これは高い成長性を織り込んでいるためですが、もし成長が予想を下回れば、株価が調整するリスクもあります。
また、競合他社の追い上げや、新薬開発の不確実性、規制リスクなども考慮する必要があるでしょう。
総合的に判断すると、イーライリリーは優れた成長性と将来性を持つ企業だと言えます。現在の株価には楽観的な見方が反映されていますが、同社の潜在力を考えれば納得できる水準です。
そのため、新規に投資する場合は、株価の調整を待つか、分散投資の一部として少しずつ買い増していくなどの慎重なアプローチが賢明と言えるでしょう。
すでに保有している投資家であれば、長期保有を続けることで、同社の成長の恩恵を受けられる可能性が高いと考えられます。
イーライリリーは最高品質の製薬株で、ポートフォリオに組み込む価値は十分にあると言えます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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