今回は、世界最大のエンターテイメント企業であるウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)の銘柄分析です。
データソースはコチラ♪
金融機関で働いていた私が投資をする際にチェックしている点を中心にまとめています。
今回の注目ポイントはこちら♪
- 年初来のパフォーマンスは市場平均を下回る。引き続きディズニー株を安く買うチャンス?
- 業績を押し下げているのは、テーマパーク・映画部門
- 動画配信サービスは会員数増加と新サービスを発表し、今後の業績押し上げに期待
- 過去10年間の業績とパフォーマンスは素晴らしく、新型コロナウイルス終息にともなう株価上昇に期待
- 財務的に新型コロナウイルスを乗り越えることができるか?
ディズニーは、新型コロナウイルスの影響で、業績や株価パフォーマンスが大きく悪化している企業の一つです。
年初来の株価パフォーマンス
8月4日に発表された2020年度第3四半期決算を機に、株価は大きく上昇したものの、年初来のパフォーマンスは、いまだに市場平均を下回って、マイナスです。
しかし、私たちは新型コロナウイルスの問題を、乗り越えることができるでしょう。その時に上昇が期待できる銘柄として取り上げました。
それでは見ていきましょ〜♪
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ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)基本データ
基本情報
会社名 | The Walt Disney Company |
ティッカー | DIS |
本社 | カリフォルニア州 |
セクター | コミュニケーションサービス |
決算 | 9月 |
設立 | 1923年 |
上場 | 1957年 |
事業内容
ウォルト・ディズニー・カンパニーは世界最大の複合型エンターテイメント企業。
事業は大きく4つの部門に分類されます。
- メディア・ネットワーク
- パーク、エクスペリエンス&プロダクツ
- スタジオ・エンターテイメント
- ダイレクト・トゥー・コンシューマー&インターナショナル
「メディア・ネットワーク」は、アメリカ3大放送局の一つである「ABC」、スポーツ専門チャンネル「ESPN」、アニメ専門チャンネル「ディズニー・チャンネル」などを運営。
「パーク・エクスペリエンス&プロダクツ」は、ディズニーランドなどのテーマパークやリゾート、クルーズラインを展開。
「スタジオ・エンターテイメント」は、アニメ・実写映画の制作などを提供。
「ダイレクト・トゥー・コンシューマー&インターナショナル」は、動画配信サービスDisney+や広告・アフィリエイトを行っています。
2020年度第3四半期業績
直近の決算では、テーマパーク閉鎖により「パーク・エクスペリエンス&プロダクツ」の売上が業績の重しになりました。一方でDisney+を提供している「ダイレクト・トゥー・コンシューマー&インターナショナル」は増収となりました。
- EPSは、0.08ドル(市場予想はマイナス0.67ドル)
- 全体の売上高は、前年同期比42%減の117.8億ドル(市場予想は123.9億ドル)
- 「メディア・ネットワーク」は前年同期比2%減の65.6億ドル
- 「パーク・エクスペリエンス&プロダクツ」は前年同期比85%減の9.8億ドル
- 「スタジオ・エンターテイメント」は前年同期比55%減の17.4億ドル
- 「ダイレクト・トゥー・コンシューマー&インターナショナル」は前年同期比2%増の39.7億ドル
売上高構成比(2019年4月〜6月)
昨年は、4つの部門がバランスよく収益をあげています。
売上高構成比(2020年4月〜6月)
テーマパーク事業をしている「パーク・エクスペリエンス&プロダクツ」の売上が大きく下がりました。
また、ディズニーの決算で注目されているのが、動画配信サービスの動向です。
6月末時点のDisney+の有料契約者数は5,750万人でした。
3 月末(3,350 万人)から 72%も増加しました。
Disney+の営業利益は、赤字の状態が継続。
新サービスとして実写版ムーランが、Disney+で追加料金29.99ドルを支払うと視聴可能に。
今回の決算で、この部分は非常に良かった部分だと思います。Disney+契約者数の高い伸びが確認できました。また、先行投資の大きい赤字事業であるDisney+が一つのマネタイズの方法を示しました。
Disney+の契約者数は、現時点で6,000万人を超える巨大なプラットフォームになりました。
Disney+の月額料金は安価であるため、2020年度第3四半期売上高全体の1割程度しかありません。
しかし、6,000万人の契約者のうち1,000万人が、実写版ムーランを見るたに追加料金を支払うとするなら3億ドルもの売上を創出することが可能となります。
今回の決算では、マネタイズの形を少し見ることができました。
今後も、Disney+が動画配信でシェアをどれだけ獲得できるか、マネタイズすることができるかどうか引き続き注目されます。
株価チャート
過去10年間の株価は市場平均を大きく上回っています。
ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)業績
売上高・営業利益
2020年度の売上高のコンセンサス予想は、652億ドルで、
2019年度と比べ6%売上高が減少する見込みです。
営業利益率
2020年度第3四半期については9.3%と低下していますが、営業利益は黒字を維持しています。
EPS(1株当たり利益)
2020年度EPSの市場コンセンサスは、1.56ドルと大きく落ち込む見込みです。
BPS(1株当たり純資産)
キャッシュフロー
ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)株主還元
1株当たり配当
2020年5月5日に、配当の支払い停止を発表しました。
配当性向
自社株買い
ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)バリュエーション
PER(株価収益率)
過去5年間の平均 | 19.45倍 |
2020年8月5日時点 | 51.22倍 |
PBR(株価純資産倍率)
過去5年間の平均 | 3.43倍 |
2020年8月8日時点 | 2.75倍 |
PCFR(株価キャッシュフロー倍率)
過去5年間の平均 | 18.17倍 |
2020年8月8日時点 | 30.87倍 |
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ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS)四半期決算
EPS(1株あたり利益)の市場予想と結果
過去8回の決算のうち、市場予想を上回ったのが6回、下回ったのが2回。
売上高の市場予想と結果
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銘柄分析 コメント
過去10年間の業績や株価パフォーマンスは素晴らしかったものの、新型コロナウイルスの影響により業績は大きく悪化しました。
そんな中でもDisney+の契約者数は急速に伸び、既に巨大なプラットフォームを構築しています。
財務的にも、新型コロナウイルスの驚異を乗り越えることが可能だと考えます。
2020年6月末時点の債務は644億ドルですが、十分な流動性資産があり、現金及び現金同等物は231億ドル。
これだけの悪い環境でも4月〜6月の業績は、営業利益で黒字を確保し、フリーキャッシュフローもプラスです。
今回の業績の悪化は、ディズニーのブランド価値が低下したり、業界での競争優位性がなくなったわけではありません。長期投資家にとっては、こういう時こそ購入の良い機会では?
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