モモです。米国株の投資情報を、ブログやtwitterで発信しています♪
今回ご紹介する『テンプルトン卿の流儀』は、ジョン・テンプルトンの投資術と思考法について書かれた本です。
彼は本質的な価値に対して、割安な株式を買うことで成功を収めました。
- 伝説のバーゲンハンターと呼ばれるテンプルトン卿は、どんなヒトなの?
- どうやったらバーゲン価格で、株式を買うことができるの?
そんな疑問を解消できるように記事を書きました。
それでは見ていきましょー♪
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『テンプルトン卿の流儀』ってどんな本?
この本を一言で表現すると『株式市場が大暴落している時でも、株を買う思考法が学べる本』。
強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑のなかで育ち、楽観とともに成熟し、陶酔のなかで消えてゆく。
悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である。
この格言を、たいていの投資家が耳にしたことがあるでしょう。
簡単に言えば、皆が悲観しているときに買い、皆が楽観しているときに売ることを投資の極意としています。
しかし、これは非常に難しいことなのです。
デパートのバーゲンセールには買い物客が殺到する。
ショッピングで安く買うのは当たり前のことだ。
それが株になると、安く買うのがとたんに難しくなる。
それはなぜか。
株の場合、バーゲンに殺到するのは買い手でなく売り手だからだ。
皆が一斉に恐怖に駆られて売ろうとするからこそ株価が急落する。
その恐怖感や群衆の勢いに逆らうのは並大抵のことではない。
テンプルトン卿は、戦後の日本株やアジア通貨危機に巻き込まれた韓国株に投資。莫大なリターンを叩き出した伝説の投資家です。
本書を読むと、群衆が株式を投げ売りする中、攻めの投資をした彼の思考を学べます。
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伝説のバーゲンハンターが明かす投資の秘訣
本書を読んで特に参考になったポイントを3つにまとめました。
- マスコミはバーゲンハンターのうれしい味方
- 銘柄選択を世界全体に広げる
- 比較購入法で割安な株に投資をし続ける
マスコミはバーゲンハンターのうれしい味方
経済に対する悪いニュースが多い時、それは絶好の買い時です。
マスコミには市場に恐怖を吹き込み、投資家に安値で株を売らせる力があるが、このことがバーゲンハンターの役に立つ。
悪いニュースで新聞が売れるという単純な事実がバーゲンハンターにとってはありがたい働きをしてくれる。
大衆は悪いニュースに翻弄されやすく、しかもマスコミは好んでそれを大衆に提供するため、株式市場は周期的に大きな不安にさらされる。
株式はその不安のせいで常に突出安の脅威に直面している。
こんなふうに考えるなら、「手遅れになる前に株を手放せ」と株主をそそのかしてくれるマスコミはバーゲンハンターのうれしい味方だ。
「空が落ちてくる!株を売って急いで逃げろ!」と騒ぎ立て、ある意味でバーゲンハンターの代理人の役目を果たしてくれる。
マスコミは、自分たちの利益のために悪いニュースを取り上げ用としていることを理解する必要があります。
また、自分の含み損や利益縮小に焦らず、バーゲン銘柄を見つけることに専念することが重要です。
大暴落の際は、自分自身も投資の損を抱えていたり、含み益がどんどんなくなっていきます。
そんな時、人間は本能として、どうやったら損失を最小限にできるか?含み益をどうやったら守れるか?ということを、考えてしまうようにできているのです。
投資の目的は、長期でリターンを増やすことであり、売りに走ることではありません。
大暴落時に取るべき行動は、防御ではなく攻撃です。
銘柄選択を世界全体に広げる
テンプルトン卿は、アメリカ株だけでなく、日本株、韓国株、中国株、カナダ債など世界各地に投資をし、並外れたリターンを得ることに成功しました。
1954年11月にテンプルトン・グロース・ファンドを立ち上げたときグローバル投資の先頭に立っていた。
フォーブス誌に何度も「グローバル投資の重鎮」と呼ばれ、国境の向こう側でバーゲン株を見つけて買うことに何の抵抗も感じなかった。
国内市場の外に目を向けてバーゲン銘柄を発掘するのには常識的な理由が二つある。
ひとつはバーゲン株候補の幅が広がり厚みが増すということだ。
バーゲンハンターの目標が市場価格と企業価値の計算結果の格差が最大の株式を買うことにあるとすれば、探索の範囲を世界全体に広げるのが当然と言っていい。
何よりも選択の幅が急激に拡大する。
たとえば米国に限れば3,000ほどの銘柄数が、世界全体では20,000銘柄にまで広がる。
だから柔軟な考え方に立って世界のさまざまな市場で投資対象を探し出すようにすれば、長期的な成功を収めるチャンスがずっと大きくなる。
テンプルトン・グロース・ファンドは、グローバル投資を行うことによりS&P500を、大きくアウトパフォームしました。
1970年代のアメリカでは、あらゆる点で投資に逆風が吹いた時代。S&P500はほとんど上昇していません。
当時のアメリカでは、ニフティフィフティと呼ばれる優良株が乱高下して投資家をひどく迷わせ大きな損失を負わせました。
そのうえ、インフレの加速、エネルギー危機、経済成長の鈍化が投資家を苦しめたのです。
どんな運用商品でも、いつも好調というものはありません。日本株だけ、米国株だけというような極端なポジションを取らない方が良いでしょう。
また、グローバルに投資することで、バーゲンハントのチャンスが広がります。
比較購入法で割安な株に投資し続ける
テンプルトン卿は、日本の大手スーパーチェーンであるイトーヨーカドーの投資で成功しました。
この投資は、比較購入法に従って実行されたのです。
先進国の著名な大手スーパーであるセーフウエーとイトーヨーカドーとを比較することで、イトーヨーカドーの買い付けによってほかの市場よりもはるかに有利な取引が実現できると推定しました。
その比較では、PEGレシオと呼ばれる比率を使います。
イトーヨーカドー
PER=10倍
予想成長率=30%
PEG=PER(10)÷予想成長率(30)=0.3
セーフウエー
PER=8倍
予想成長率=15%
PEG=PER(8)÷予想成長率(15)=0.5
イトーヨーカドーとセーフウエーのPERを比べると後者のほうが低いものの、両社について計算したPEGレシオの比較では前者のほうが低いためイトーヨーカドーのほうが優れたバーゲン銘柄だと判断することになる。
ここでの考え方は、イトーヨーカドーのほうが将来予想される成長率がはるかに高いために、実際にはセーフウエーよりも割安とするものである。
PEGレシオが低い銘柄を、やみくもに買うのではなく、要素に分けて精密に調べる必要があります。
テンプルトン卿が、イトーヨーカドーに投資した時、同社は何十年にもわたる拡大のスタート地点にあった企業でした。
比較購入法を使うと、割安な株に投資し続けることができます。
この比較手法は恐らく投資で一番難しい問題、つまり売り時の判断にとって非常に有用なツールとなる。
ジョン叔父さんは長年この問題に取り組んできたが、最終的に到達し、仕事上の投資や個人投資に適用したその答えは「保有銘柄よりもずっと良い銘柄を見つけたら乗り換えろ」というものだった。
この比較手法では、銘柄や企業を単独で考察するときよりも意思決定がずっと容易になるので生産的なやり方と言ってよい。株価が本質的価値の推定値に近づいてきたら入れ替えの候補銘柄を探すべき時期だ。日常習慣として銘柄探索を行っていると、株価が企業に関する自分の評価よりもずっと低い銘柄に出合うことがある。
そんなときは、保有銘柄との入れ替えを実行するとよい。
ただしこの手法には規律が必要であり、行き当たりばったりになったり不必要にポートフォリオに入れ替えたりする口実として用いてはならない。
銘柄の過度の回転や無駄な動きを避けるために、ジョン叔父さんは50%以上の良い銘柄を見つけた時だけ入れ替えることを勧めている。
テンプルトン卿は、比較購入法で乗り換え取引を行うことにより、日本のバブル崩壊に巻き込まれることはありませんでした。
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書評『テンプルトン卿の流儀』まとめ
『テンプルトン卿の流儀』は、ジョン・テンプルトン卿の投資哲学と戦略を解き明かした一冊です。
この本から、彼が如何にしてその成功を築いてきたのか、彼の独自の投資スタイルと戦略を理解することができます。
今回の記事では、テンプルトン卿の投資スタイルで、特に重要だと思った3つのポイントを取り上げました。
- マスコミはバーゲンハンターの味方
- 銘柄選択を世界全体に広げる
- 比較購入法で割安な株に投資し続ける
これらの戦略は、テンプルトン卿がなぜ世界的な投資家として成功を収めることができたのかを示しています。
この本を通じて、テンプルトン卿の投資スタイルを学び、自身の投資戦略に取り入れることが可能となります。
最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。
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