フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)の2010年度~2019年度の決算データをまとめました。
証券会社と銀行で働いていた私が投資判断をする際にチェックするポイントを中心にまとめています。
データソースは、こちらです。
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フィリップ・モリス・インターナショナル 基本データ
基本情報
会社名 | Philip Morris International Inc. |
ティッカー | PM |
本社 | ニューヨーク州 |
セクター | 生活必需品 |
決算 | 12月 |
事業内容
フィリップ・モリス・インターナショナルは持株会社。
子会社を通じて、ブランドの各種紙巻きたばこ・たばこ製品のライセンス供与、 製造、販売、流通に従事する。
世界各地で事業を展開。
(Bloombergから引用)
株価チャート

過去10年間の株価は市場平均を大きくアンダーパフォームしています。
ESG投資への高まりが株価を押し下げています。
しかし、連続増配の高配当銘柄であるため、配当によりある程度、市場平均との差は少なくなります。
フィリップ・モリスは、「株式投資の未来」(ジェレミー・シーゲル著)の中で、20世紀後半にS&P500の中で最も運用成果が良かった銘柄として紹介されています。
フィリップ・モリス・インターナショナル 業績
売上高・営業利益

売上高や営業利益は伸びはありませんが、安定して推移。
リーマンショックの際でも赤字転落していないため不況への耐性もあります。
営業利益率

営業利益率は減少傾向ですが、優良企業の目安である10%を大きく超えています。
タバコ事業は参入障壁が高く 、利益率が高いという特徴があります。
タバコの葉を育てるには、国の認可が必要となる場合が多く、価格決定権をもてるためです。
EPS(1株当たり利益)

BPS(1株当たり純資産)

積極的に自社株買いや配当の支払いなど株主還元をしているためバランスシートは債務超過の状態です。
しかし、2019年度には、1株あたり5.24ドルのフリーキャッシュフローを創出しており、タバコ事業は不景気に対して一定の耐性を持っていることから無理のない範囲だと考えます。
キャッシュフロー

タバコ事業は研究開発費や設備投資にお金がかからないため、安定的にフリーキャッシュフローを創出することができます。
フィリップ・モリス・インターナショナル 株主還元
1株あたり配当

2020/5/13時点の予想配当利回りは6.5%。
配当性向

利益に対して多くの配当を払っており、配当の安全性は高くはありません。
自社株買い

自社株買いに積極的で10年で発行済株数の約16%を減らしました。
株主還元には積極的な会社といえます。
フィリップ・モリス・インターナショナル バリュエーション
PER(株価収益率)

過去5年間の平均PERは14.52倍
2020/5/22時点のPERは20.45倍
PBR(株価純資産倍率)

2012年度以降は債務超過の状態です。
PCFR(株価キャッシュフロー倍率)

過去5年間の平均PCFRは16.63倍
2020/5/12時点のPCFRは11.14倍
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銘柄分析 コメント
近年、タバコ離れが進んでおり、今後大きく業績が伸びることはないでしょう。
しかし、わたしはフィリップ・モリスに投資をしていて、期待している銘柄の一つです。
なぜ期待しているかというと、株式のリターンは市場の期待に対して業績がどれだけ良かったかで決まるからです。
タバコ株は、利益率が高くキャッシュフローは素晴らしいのに、株式市場での評価は高くありません。
最後に、『株式投資の未来』で、わたしが特に好きな部分をご紹介。
フィリップ・モリスが運用成績ランキング首位と聞いて、意外に思う向きもあるだろう。フィリップ・モリスといえば、規制や訴訟といった集中砲火にさらされて、数十億ドルの賠償金コストを抱え込み、破綻の恐れさえある。
だが資本市場では、企業にとっての悪材料が、投資家にとっての好材料に転じることがある。フィリップ・モリス株の場合、誰もが買いを手控え、危険な製品「タバコ」の製造者として巨額の賠償金支払いを命じられたことから、破綻の恐れもあると噂された。人気が離散した結果、株価が下がり、辛抱強く保有し続けた投資家のリターンは押し上げられた。
フィリップモリスが生き残り、引き続き高水準な利益を稼ぎ出し、それを配当の形で投資家に還元するかぎり、投資家は今後とも飛びぬけたリターンを手にするだろう。
『株式投資の未来』は私の愛読書です♪