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今回は、世界的な取引所グループ、インターコンチネンタル取引所の分析です。
ICEは、ニューヨーク証券取引所の運営をはじめ、金融データや住宅ローンサービスなどを提供する会社。
この会社は、高い参入障壁と創業者主導による成長が特徴的で、注目していました。
記事では、事業内容や将来性について分かりやすく解説します。
この記事を書くために参考にしたサイトはこちら。
それでは、見ていきましょー!
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インターコンチネンタル取引所(ICE)事業内容と強み
事業内容
インターコンチネンタル取引所は、コモディティ市場の取引所として2,000年に設立されました。
創業者でありCEOのジェフリー・シュプレッヒャー氏は、同社の成長を牽引し続けています。
彼のリーダーシップのもと、多くの取引所の買収や合併を経て、世界最大級の取引所グループの一つにまで成長しました。
特筆すべきは、2013年のニューヨーク証券取引所の買収です。
同社の事業は、大きく以下の3つに分けられます。
2022年度の事業別売上高をご覧ください。
事業 | 売上高 | 売上高構成 |
---|---|---|
取引所 | 41億ドル | 55% |
データ提供 | 21億ドル | 29% |
住宅ローン | 11億ドル | 15% |
取引所事業
世界各地で、13の取引所と6つの清算機関を運営しています。
特に、ニューヨーク証券取引所は、230年以上もの歴史を誇り、S&P500指数の構成企業の70%以上が上場しています。
2022年には、過去最多の34社が上場しました。
上場した企業は、上場時だけでなく、毎年、取引所に手数料を払い続けなければなりません。
また、投資家の取引が起こるたびに、取引所は手数料を受け取ることができます。
データ提供事業
取引所で収集した膨大なデータを、プロ向けに定額制で販売しています。
この事業では長期契約が多く、安定した収入源となっています。
2022年度データ提供事業の売上高のうち、リカーリング・レベニュー(継続的な売上高)の割合は81%でした。
住宅ローン事業
同社は、米国の住宅ローン市場の非効率性を、解決するテクノロジー・プラットフォームを提供しています。
手続き時間の短縮と、ローン1契約あたり2,600ドルの節約を目標としています。
収益の大部分は、SaaS(Software as a Service)サブスクリプションに基づいています。
このサブスクリプションでは、貸金業者ごとに基本料金が設定されており、成約ローン数が一定数を超えると成功報酬が加算される仕組みです。
強み
プラットフォームとしての地位により高い利益率を誇り、安定した収益が期待できます。
2022年度の調整後営業利益率とRecurring Revenue比率がこちら。
事業 | 営業利益率 | Recurring Revenue |
---|---|---|
取引所 | 72.0% | 34.2% |
データ提供 | 43.0% | 80.6% |
住宅ローン | 45.3% | 57.0% |
全体 | 59.5% | 51.0% |
取引所事業は信頼性と多くの買い手・売り手が必要であり、新規参入が難しいため、参入障壁が高いビジネスです。
また、一度仕組みを構築すれば、多額の研究開発や維持管理費が不要となり、利益率が高くなります。
金融商品やコモディティの売買は景気の良し悪しに関わらず発生するため、安定性があります。
リカーリング・レベニュー比率は、2012年の11%から2022年には51%へと増加しています。
リカーリング・レベニュー比率が高く、業績が安定している会社は株式市場から高い評価を受けやすい傾向があります。
インターコンチネンタル取引所(ICE)将来性と成長予測
将来性
昨年、住宅ローン事業は圧倒的な市場シェア獲得。今後は、その成長に期待しています。
2023年9月に、ICEは、住宅ローン市場と不動産業界に特化したテクノロジー・サービスを提供するブラックナイト社を買収しました。
これは、2020年のEllie Mae、2019年のSimplifile、2018年の住宅ローン電子登録システム(MERS)買収に続くもので、市場シェアのさらなる拡大を意味します。
FTCは当初、ICEの価格決定力が強くなりすぎることを懸念し、訴訟を起こしました。
しかし、最終的には、FTCが訴訟を取り下げ、買収を実行したのです。
この買収により、ICEはアメリカで組成される住宅ローンほぼ全てに、アクセスできる体制が整いました。
それでもアメリカの住宅ローン市場は大きく、ICEのアドレス可能な市場は140億ドルもあります。
そのうちICEの市場シェアは21億ドル程度であるため、大きな成長余地が残されています。
成長予測
ICEの過去の業績や現状を踏まえると、
今後もEPSの2桁成長が見込まれます。
バリュエーションに関しても、
現在の株価は適正な水準で取引されていると言えます。
PSR(NTM) | 24.4倍 |
PSR(LTM) | 30.0倍 |
過去5年平均 | 25.5倍 |
過去10年平均 | 27.9倍 |
そのため、5年から10年の長期的な視点では、利益やキャッシュフローの成長に伴い株価上昇が期待できるでしょう。
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インターコンチネンタル取引所(ICE)銘柄分析まとめ
ICEのビジネスは、最強のプラットフォーム・ビジネスと言えるでしょう。
3つの事業が、相互に補完しながら、企業の成長と安定性を支えています。
特に、ニューヨーク証券取引所の運営は、同社の強みの一つです。
これにより、信頼性が保たれ、高い利益率と安定した収益を生み出しています。
また、取引所で収集される膨大なデータを活用したデータ提供サービスは、金融業界における重要な情報源となっており、安定したリカーリング・レベニューをもたらしています。
さらに、ブラックナイト社の買収を含む積極的なM&A戦略は、住宅ローン市場における同社のポジションを強化しました。
これにより、新たな成長機会が開かれ、将来的な市場シェアの拡大が期待されています。
ICEは、その成長のポテンシャル、安定した収益構造、そして適正なバリュエーションにより、魅力的な投資先であると言えるでしょう。
お読みいただき、ありがとうございました。
ICEは、おすすめ米国長期保有株10銘柄に選出するか迷った銘柄です。
当ブログでは、多くの銘柄を紹介しているため、筆者のポジションを公開しています。
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