今回は、半導体株が下落しているので、調整局面で買いたい5銘柄を紹介します。
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半導体株が下落!今後の見通しと調整局面で買いたい5銘柄!
アメリカで上場する半導体企業で構成されているヴァンエック半導体ETF(SMH)は高値から12%下落しています。
今回の記事では、半導体株が急落した理由と今後の見通しを解説します。
そして注目すべき5銘柄の事業内容と将来性についてお伝えしていきます。
この情報が、投資家の皆様にとって新たな投資アイデアのきっかけとなれば幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。
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半導体株が急落!その背景と今後の見通しを解説
まずは、半導体株が急落した理由についてです。半導体株の急落には、主に2つの理由があります。
アメリカが中国への半導体規制をさらに強化する可能性
1つ目の理由は、バイデン政権が中国への半導体技術規制をさらに強化する可能性が出てきたことです。
具体的には、アメリカ政府が同盟国に対して、中国への最先端半導体技術の提供を続ける企業には厳しい規制を適用する方針を示しました。
この規制は「外国直接製品ルール(DFPR)」と呼ばれ、アメリカの技術やソフトウェアをわずかでも使用している製品にも適用される可能性があります。
アメリカの狙いは、半導体技術の軍事転用を防ぐことにあります。
しかし、この規制強化は世界の半導体サプライチェーンに大きな混乱をもたらす恐れもあります。
トランプ前大統領の発言による地政学リスクの高まり
2つ目の理由は、トランプ前大統領の発言による地政学リスクの高まりです。
ブルームバーグ・ビジネスウィークのインタビューで、トランプ氏は「台湾は防衛費を払うべきだ」と述べました。
この発言は、台湾を巡る地政学的リスクを高める可能性があります。
トランプ氏は、台湾が米国の半導体ビジネスを奪ったと主張し、「台湾は米国に何ももたらしていない」と不満を表明しました。
さらに、米国が台湾を守る立場にあることから、「われわれは保険会社のようなものだ。」と述べ、台湾側の負担増を求める姿勢を示しました。
この発言は、台湾セミコンダクター(TSM)などの台湾企業に影響を与える可能性があり、半導体業界全体に不確実性をもたらし、投資家の不安を煽る要因となっているのです。
半導体関連株の今後の見通し
次に、今後の見通しについて解説します。これらの要因を踏まえると、短期的には不透明感が強く、半導体企業の株価が下落する可能性があります。しかし、長期的にはAI関連の需要に支えられ、半導体企業の業績成長や株価上昇が期待できると考えています。
現在の株価下落は、行き過ぎたバリュエーションの調整だと考えています。
米中関係の悪化や台湾を巡る緊張の高まりなど、地政学的リスクは、短期的な株価変動要因となります。
しかし、半導体業界の業績成長は根強く、世界の半導体市場は拡大を続けています。
特に注目されているのが、人工知能(AI)関連の需要です。
生成AIの市場規模は、2024年から2030年にかけて、年平均46%成長し、2030年までには3,561億米ドルにも達すると予想されています。(statista調べ)
さらに、その最大市場はアメリカだと見込まれています。
この成長に伴い、半導体需要も大きく伸びると考えられます。
投資家にとっては、こうした調整局面を長期的な投資機会と捉え、個別企業の競争力や成長戦略をしっかりと見極めることが重要になってくるでしょう。
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調整局面で買いたい半導体関連株5銘柄!
それでは現在の不透明な状況下でも成長が期待できる半導体関連株5銘柄を紹介します。これらの銘柄は、今後の成長が期待できる企業として注目しています。
エヌビディア(NVDA)
1銘柄目はエヌビディアです。同社の株価は直近の高値から16%下落しています。
株価チャート(日足)
基本データ
PSR(予想) | 24.5倍 |
PER(予想) | 43.7倍 |
売上成長(予想) | 94.5% |
EPS成長(予想) | 126.1% |
ROIC | 84.7% |
配当利回り | 0.0% |
事業内容・将来性
エヌビディアは、AI向け半導体の分野で世界をリードする企業として知られています。
同社の強みは、高性能なGPU(画像処理装置)技術と、それを支えるソフトウェアエコシステムにあります。
特に注目を集めているのが、AIデータセンター向けの需要急増です。
2025年度第1四半期のデータセンター事業の売上高は前年同期比427%増を記録し、総売上高の87%を占めるまでに成長しました。
業績は好調で、2025年度第1四半期の売上高は前年同期比262%増の260億ドル、1株当たり利益は461%増の6.12ドルを達成。市場予想を大きく上回る結果となりました。
この驚異的な成長は、AI革命による半導体需要の急増が背景にあります。
エヌビディアのGPUは、AIの学習や推論処理に不可欠とされ、市場シェアは90%以上に達しています。
調査会社フォレスター・リサーチは、「エヌビディアのGPUなしでは、現代のAIは不可能だ」と評価しています。
2024年後半には、次世代GPUアーキテクチャ「Blackwell」の投入を予定しており、さらなる性能向上と省エネ化を実現する見込みです。
投資家にとって魅力的なのは、エヌビディアの高い成長性と市場での支配的なポジションです。
AI革命がまだ初期段階であることを考えると、長期的な成長余地は十分にあると言えるでしょう。
NVDAは、AI革命の中核企業として、今後も長期的な成長を確信しています。
アドバンス・マイクロ・デバイシズ(AMD)
2銘柄目はAMDです。同社の株価は直近の高値から33%も下落しています。
株価チャート(日足)
基本データ
PSR(予想) | 9.6倍 |
PER(予想) | 43.1倍 |
売上成長(予想) | 12.5% |
EPS成長(予想) | 565.1% |
ROIC | 0.9% |
配当利回り | 0.0% |
事業内容・将来性
AMDの事業は、主に4つの事業セグメント(データセンター、クライアント、ゲーミング、組み込み)で構成されており、特にAI関連の成長が注目されています。
データセンター事業では、AI向けの高性能チップを提供しており、2024年第1四半期には前年同期比80%の成長を達成しました。
特に注目されているのが、MI300Xプラットフォームです。
この製品は、業界のリーダーであるNVIDIAに対抗できる製品として、大手企業から高い評価を受けています。
このプラットフォームは、特に生成AI推論ワークロード向けに開発されており、マイクロソフトやメタ、オラクル、テスラといったテクノロジー大手が採用を進めています。
これらの企業は、AI半導体の供給をNVIDIA一社に依存するリスクを回避したいと考えていますから、AMDはこの分野で重要な位置を占めるでしょう。
実際、前回の決算発表で、リサ・スーCEOはMI300の売上予想を当初の20億ドルから40億ドルへと大幅に引き上げました。
この修正は、AIチップの需要が供給を上回る状況が今後数年続く可能性を示唆しています。
また、AMDは積極的な買収戦略も展開しています。
最近では欧州最大のAI研究所であるSilo AIを6億6500万ドルで買収しました。
これにより、AIソフトウェア技術のさらなる強化が期待されます。
さらにAMDは、AI搭載のPC市場においても大きなチャンスが訪れています。
AMDのCPUは、ユーザーのデバイスで直接人工知能を実行できます。
マイクロソフトがWindows向けAIを積極的に推進している現在、このニーズに応えることができるAMDの技術は非常に重要です。
競争は依然として激しいものの、AMDはリサ・スーCEOのもとで過去10年間にわたって市場での地位を大きく向上させてきました。
インテルを追い抜いた今、次なる目標はNVIDIAとの競争です。
AMDの強力なリーダーシップと革新的な技術がこれからも業界をリードする可能性を秘めています。そして、わたしはAMDがAI革命において、重要な役割を果たすと考えています。
ブロードコム(AVGO)
3銘柄目はブロードコムです。同社の株価は直近の高値から15%下落しています。
株価チャート(日足)
基本データ
PSR(予想) | 14.3倍 |
PER(予想) | 31.4倍 |
売上成長(予想) | 43.3% |
EPS成長(予想) | 52.1% |
ROIC | 12.3% |
配当利回り | 1.3% |
事業内容・将来性
ブロードコムは、半導体やソフトウェアなど幅広い製品を手掛ける世界有数のテクノロジー企業です。
スマートフォンからデータセンターまで、私たちの生活を支える様々な技術を提供しています。
同社の強みは、特に通信技術の分野にあります。
例えば、スマートフォンの中には必ずと言っていいほどブロードコムの部品が使われています。
Wi-FiやBluetoothの機能を支えているのも、同社の技術なのです。
ブロードコムの製品は、インターネットトラフィックの99%以上に関わっているといわれています。
最近では、AIチップ市場でも急速に存在感を高めています。
ブロードコムは、カスタム半導体(ASIC)の設計で世界最大手とされ、AI半導体分野ではエヌビディアに次ぐ世界第2位の地位を確立しました。
GoogleやMetaとのパートナーシップを結んでおり、AIの分野でさらなる成長が期待されています。
2024年第2四半期にはAI関連の売上が前年同期比280%増の31億ドルに達し、急成長を遂げています。
そして、同社の成長戦略の特徴は、積極的な買収にあります。
2023年末にはクラウドソフトウェア大手のVMwareを690億ドルで買収し、事業領域を大きく拡大しました。
この買収により、半導体事業とソフトウェア事業のバランスが取れた総合テクノロジー企業としての地位を確立しつつあります。
AIやクラウドコンピューティングの進化とともに、同社の重要性はさらに高まる可能性があります。
多角的な事業展開と強力な技術力を持つ同社は、長期的な成長を見据えた投資先として非常に魅力的な銘柄と言えるでしょう。
ケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)
4銘柄目はケイデンス・デザイン・システムズです。同社の株価は直近の高値から15%下落しています。
株価チャート(日足)
基本データ
PSR(予想) | 16.7倍 |
PER(予想) | 47.3倍 |
売上成長(予想) | 12.2% |
EPS成長(予想) | 54.8% |
ROIC | 26.8% |
配当利回り | 0.0% |
事業内容・将来性
ケイデンスは、電子設計の分野でグローバルリーダーとして知られる企業です。主に半導体メーカーに対して、EDA(電子設計自動化)ツールやIP(知的財産)を提供しています。
同社の製品は、NVIDIAやIntelなどの大手半導体メーカーにとって欠かせないものとなっています。
これらのツールを使用することで、半導体メーカーはコストを抑え、エラーを減らし、設計時間を短縮できます。結果として、製品開発のサイクルが大幅に速くなります。
ケイデンスの強みは、半導体メーカーだけでなく、EDAを必要とするシステム会社にも事業を展開できる点にあります。
その対象は、家電製品、クラウド、データセンター、モバイル、IoT、自動車、航空宇宙、産業、ヘルスケアなど多岐にわたります。
特に注目すべきは、ケイデンスの市場における優位性です。
EDA市場は寡占状態にあり、競合はシノプシスとメンターグラフィックスの2社のみです。
この独自のポジションにより、ほとんどの半導体メーカーがケイデンスの顧客となっています。
最近では、AIやクラウド、自動運転などの急速に進化するテクノロジー分野で同社の製品が必要不可欠となっており、長期的な成長が期待されています。
投資家にとって魅力的なのは、ケイデンスの安定した収益構造です。
売上高の大部分がサブスクリプション形式であるため、業績の予測可能性が高くなっています。
ケイデンスは半導体産業の成長とAI革命の恩恵を受ける有望な銘柄と言えるでしょう。
台湾セミコンダクター(TSM)
5銘柄目は台湾セミコンダクターです。同社の株価は直近の高値から14%下落しています。
株価チャート(日足)
基本データ
PSR(予想) | 9.0倍 |
PER(予想) | 23.2倍 |
売上成長(予想) | 29.3% |
EPS成長(予想) | 29.5% |
ROIC | 20.3% |
配当利回り | 1.2% |
事業内容・将来性
台湾セミコンダクターは、半導体の受託生産に特化した世界最大手の企業です。
その高い技術力と安定供給能力により、半導体ファウンドリ市場で62%という圧倒的なシェアを獲得しています。(statista調べ)
台湾セミコンダクターの強みは、最先端の半導体製造技術と高い歩留まりにあります。
歩留まりとは、製造過程で正常に機能する半導体チップの割合のことで、これが高いほど生産効率が良く、コストを抑えられます。
同社は業界トップクラスの歩留まりを誇り、これがAppleやNVIDIAなど世界トップクラスの企業からの信頼につながっています。
特に、AIやハイパフォーマンス・コンピューティング向けの最先端チップ製造で圧倒的な優位性を持っています。
2024年第2四半期の業績は非常に好調で、売上高は前年同期比40%成長、純利益は36%成長と市場予想を上回りました。
将来性についても、強気な見通しを示しています。
2024年通期の売上高成長率予想を「前期比で20%台前半から半ば」から「20%台半ばをわずかに上回る」水準に上方修正し、設備投資計画も300億-320億ドルに引き上げました。
特に注目すべきは、AI関連の半導体需要の急増です。
TSMCは2025年までに先端パッケージングの生産能力を2倍以上に増強する計画で、次世代の2ナノメートル製品の量産も予定しています。
一方で、トランプ氏の「台湾は防衛費を払うべき」との発言で地政学的リスクが意識されています。
米中関係の悪化や台湾情勢の緊張は、TSMCの事業に影響を与える可能性があるからです。
しかし、TSMCの主要顧客はアップル、エヌビディア、AMD、クアルコムで、これらの企業はTSMCなしでは存続することが不可能と言っても過言ではありません。
半導体産業にとって台湾は重要な役割を担っています。そのため、台湾を守らない選択肢はありえないでしょう。
アメリカが台湾を守ってあげているのではなく、アメリカは台湾を守らないといけないのです。
また、AIや5G、IoTなど半導体需要を押し上げる要因は多く、TSMCの長期的な成長ポテンシャルは高いと言えるでしょう。
短期的には、同社が今回の半導体株が下落した震源地であるため、さらなる株価下落の可能性もあります。
しかし、現在の株価バリュエーションを考えると、今回の株価下落が長期投資家にとって魅力的な投資機会となるでしょう。
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最後に: 半導体業界の現状と今後の展望
最後に、半導体業界の現状と今後の展望についてまとめます。
半導体株は、地政学的リスクや規制強化への懸念から急落しました。
しかし、この下落は長期的な視点を持つ投資家にとって、魅力的な買い場となる可能性があります。
半導体産業は、AIやIoT、5Gなどの新技術の発展により、今後も大きな成長が期待されています。
特にAI関連の需要は急増しており、2030年までに市場規模が3,561億ドルに達すると予測されています。
ご紹介した5銘柄は、それぞれの分野で強みを持ち、AI革命の恩恵を受けやすい位置にいます。
エヌビディアはAI向けGPUで圧倒的なシェアを持ち、AMDは急速にAI市場での存在感を高めています。
ブロードコムは幅広い製品ラインナップとAI半導体設計能力で注目を集めており、ケイデンス・デザイン・システムズは半導体設計ソフトウェアの寡占企業として安定した成長が期待できるでしょう。
台湾セミコンダクターは、最先端の半導体製造技術で世界をリードし続けています。
ただし、投資にはリスクが伴うことを忘れてはいけません。
米中関係の悪化や台湾を巡る緊張など、地政学的リスクは常に注意が必要です。
適切なキャッシュポジションを保ち、投資タイミングを分散することで、さらなる株価の下落に備えることができます。
また、半導体業界は技術革新のスピードが速いため、各企業の競争力や成長戦略を継続的に評価することが重要です。
AI革命はまだ始まったばかりの初期段階です。ご紹介した5銘柄は、AI革命の波に乗り、さらなる成長の余地が十分にあると考えられます。
今回の株価下落を、長期的な成長を見据えた投資機会として捉え、慎重かつ積極的に相場と向き合っていきましょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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半導体株が下落!今後の見通しと調整局面で買いたい5銘柄!
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